愛犬の体にフケが増えたのを見て、病気なのかと心配になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
実際、犬のフケは皮膚の健康状態や体調のサインでもあり、原因を突き止めて適切に対処してあげることが大切です。
今回は、メディカルトリマーの私が犬のフケの原因や動物病院を受診する目安、自宅でできるケア方法について解説します。
愛犬のフケで悩んでいる飼い主さんは、ぜひ参考にしてくださいね。
■ 執筆者保有資格
メディカルトリマー、犬の皮膚被毛ケアリスト、動物介護士、ペットフーディスト ほか |
そもそも犬のフケとは?皮膚の角質細胞が剥がれ落ちたもの
犬のフケは、皮膚のターンオーバーによって古くなった角質細胞(ケラチン)が剥がれ落ちたものです。
通常、犬の皮膚のターンオーバーは約3週間(20〜25日)のサイクルで行われます。
そのため、健康な犬でもごくわずかなフケが見られることがあります。
しかし、何らかの原因でターンオーバーが乱れると不完全な状態で角質が剥がれ落ちるため、目に見える大きなフケとして現れるのです。
このとき、角質が乾燥していると、細かくなって白い粉状のフケとなります。
ごくわずかなフケであれば問題ありませんが、量が多い場合は原因を突き止めて適切に対処してあげることが大切です。
犬のフケの原因6つ
犬のフケはターンオーバーが乱れることで目立つフケとなりますが、ターンオーバーを乱す原因はさまざまです。
また、原因も1つではなく、複数組み合わされていることもあるため、愛犬のフケがなぜ出ているのかをよく考えてあげなければいけません。
ここでは、犬のフケの主な原因について見ていきましょう。
①乾燥
犬の皮膚は水分と皮脂によって守られていますが、もともと犬は皮脂の分泌量が少なく、水分を保持しにくいため乾燥しやすいという特徴があります。
また、犬の皮膚はとても薄く、ちょっとした気温や湿度の変化、外部からの刺激にも敏感です。
そのため、特に暖房やエアコンなどの使用で空気が乾燥している室内では、皮膚のターンオーバーが乱れやすく、不完全な状態で剥がれ落ちた角質がフケとして現れます。
犬の皮膚の乾燥については、以下の記事もチェックしてみてくださいね⇩
愛犬の皮膚がカサカサ!原因や自宅できるケアと病院に行くべき目安を解説 |
②栄養不足
犬の皮膚や被毛は、体に取り込む栄養から作られています。
そのため、必要な栄養が不足すると皮膚の健康が乱れ、フケが出やすくなります。
特に良質なタンパク質やオメガ3などの必須脂肪酸、ビタミンやミネラルは皮膚や被毛の健康に欠かせない重要な栄養素です。
これらの栄養が不足すると、皮膚のターンオーバーや角質の状態が乱れやすくなり、フケが出やすくなります。
③スキンケアが適切ではない
犬の皮膚はとてもデリケートで、スキンケアが適切ではない場合もフケの原因となります。
・シャンプーの頻度が多すぎる ・シャンプーのすすぎ残し ・シャンプー剤の成分が合っていない ・十分に乾かせていない ・ブラッシング不足 |
これらはフケの原因となるだけでなく、ほかの皮膚トラブルを引き起こすこともあるため注意が必要です。
④皮膚の感染症
細菌や真菌、寄生虫など皮膚の感染症にかかっている場合も、皮膚に炎症が起きて皮膚のターンオーバーを乱し、フケが出ることがあります。
・細菌感染(膿皮症など) ・真菌感染(マラセチアや皮膚糸状菌など) ・寄生虫感染(ツメダニ、疥癬など) |
犬の皮膚の感染症はかゆみを伴うものも多く、掻くことでフケになることもあります。
これらのフケに気づいたら早めに動物病院を受診することが大切です。
犬の皮膚病については、こちらの記事で詳しく解説しています⇩
犬の皮膚病|症状・種類・原因とケア方法をメディカルトリマーが解説 |
⑤ホルモンの病気
シニア犬などに多く見られるホルモンの病気も、ホルモンバランスの崩れから皮脂の分泌や皮膚のターンオーバーを乱すことがあります。
代表的な病気は、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)です。
これらの病気は必ずしもフケが出るわけではありませんが、急にフケが増えた場合や脱毛が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
【関連記事】
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⑤ホルモンの病気
シニア犬などに多く見られるホルモンの病気も、ホルモンバランスの崩れから皮脂の分泌や皮膚のターンオーバーを乱すことがあります。
代表的な病気は、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)です。
これらの病気は必ずしもフケが出るわけではありませんが、急にフケが増えた場合や脱毛が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
【関連記事】
犬の脱毛の原因は?病院に行く目安とケア方法をメディカルトリマーが解説 |
⑥アレルギー
アレルギー性皮膚炎でも、フケが見られることがあります。
犬のアレルギーは、食べ物、ノミ、ハウスダスト、花粉など、身近なものが原因で起こりますが、これは通常は問題のない物質に対し、免疫が過剰に反応してしまうためです。
免疫が過剰に反応するとヒスタミンなどの炎症物質が分泌されるため、かゆみや赤み、腫れなどを引き起こします。
また、炎症によって皮膚のバリア機能が低下すると乾燥しやすくなり、フケが出やすくなるのです。
アレルギー性皮膚炎は治療が長引くことも多く、慢性的に症状が続く場合は、長期間フケが出続けることもあります。
犬のフケで動物病院を受診するタイミング
犬のフケは乾燥や栄養不足、不適切なスキンケアで見られることもありますが、病気のサインであることもあります。
愛犬が元気そうに過ごしていると、動物病院に行くべきか迷うこともあるのではないでしょうか。
以下のような症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
・急にフケの量が増えた ・フケが目立つようになった ・かゆみがある ・皮膚の赤みや湿疹がある ・毛が薄くなったり脱毛がある ・毛質が変わった ・皮膚がベタつく ・臭いが強い など |
これらは、皮膚の感染症やアレルギー、ホルモンの病気など、さまざまな原因が考えられます。
自己判断で放置してしまうと症状を悪化させてしまうこともあるため、1つでも当てはまるときは獣医師にご相談ください。
犬のフケの自宅でできるケア方法
愛犬にフケが出ているときは、自宅でのケアも重要です。
飼い主さんができるケアを組み合わせることで、皮膚の健康を保ち、フケのケアに役立ちます。
もちろん、病気が原因の場合は病気の治療が最優先ですが、あわせて行えるケアなのでぜひ実践してみてくださいね。
ここでは、自宅でできるケア方法について見ていきましょう。
乾燥対策をする
室内が乾燥しているとフケの原因になりやすいため、加湿器などを使用して室内の湿度を保ってあげましょう。
ただし、湿度は高すぎても皮膚の状態を悪化させ、皮膚トラブルの原因となります。
■ 犬に適した湿度の目安 50%程度 |
乾燥しすぎず湿度が高すぎない適度な環境を保つことが、皮膚の健康維持には重要です。
また、長時間直射日光や暖房の風が直接当たる場所を避けるなどの対策も、あわせて行ってあげると良いでしょう。
皮膚の健康に必要な栄養を補う
皮膚や被毛の健康は、食事とも密接な関係があります。
摂取したタンパク質のうち約30%は皮膚や被毛の健康維持に使われるため、良質なタンパク質を摂取させてあげましょう。
また、オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)やビタミン、ミネラルは皮膚のターンオーバーや皮膚バリア機能をサポートしてくれます。
栄養バランスの整った総合栄養食のフードを与えるのはもちろん、獣医師と相談して必要であればサプリメントで補うなど、健やかな皮膚の状態を保てるようにしてあげることも大切です。
スキンケアを見直す
ブラッシングシャンプーの頻度、シャンプー剤などスキンケアを見直してみましょう。
■ 犬のスキンケアの見直しポイント ・ブラッシングの頻度 ・シャンプーの頻度 ・すすぎをしっかり行う ・洗った後はしっかり乾かす ・シャンプー剤 |
もちろん、ブラッシングに使用するブラシ選びも重要です。
長毛種ではスリッカーブラシやピンブラシ、短毛種では柔毛ブラシやラバーブラシなど、皮膚を傷つけないように配慮してあげましょう。
保湿ケアをする
犬のフケには、保湿ケアがとても重要です。シャンプー後の保湿だけでなく、毎日の保湿ケアを心がけましょう。
皮膚が健康な犬でも、1日2回の保湿が理想とされています。
犬用の保湿スプレーやローションを使い、皮膚のうるおいを保ってあげることが大切です。
愛犬のフケには「ハダファイン」がおすすめ!
犬の保湿ケアにおすすめなのが、大豆由来の乳酸菌代謝物質から作られている「ハダファイン」です。
ハダファインは、シャンプー剤や入浴剤、ボディローションなどさまざまな使い方ができる、とても便利なアイテムです。
皮膚に成分を残すことで健やかな皮膚をサポートしてくれるので、洗い流す必要がないという手軽さも魅力でしょう。
■ ハダファインはこんな飼い主さんに特におすすめ! ・愛犬の皮膚に悩みがある |
ハダファインは食品由来の成分でできているので、愛犬が舐めてしまっても問題ありません。
また、ハダファインを水で10倍希釈すると毎日のケアに使える保湿スプレーになります。
ラベンダー精油入りなので、虫よけスプレーとしても使用可能です。
パッケージもかわいくて匂いも良いので、不思議とテンションがあがりました!(笑)
私が実際に使ってみた詳しいレビューは、こちらをチェックしてみてくださいね⇩
【レビュー】ハダファインを愛犬に使ってみた|専門家が使用感を本音でレポ |
【レビュー】ハダファインをスプレー化して愛犬に使ってみた!専門家の使用レビュー |
まとめ
犬のフケの原因は、乾燥や栄養不足、病気などさまざまです。
そのため、自己判断せず、動物病院を受診して原因を突き止めることが大切です。
あわせて、自宅でできるケアを取り入れ、愛犬の皮膚の健康をサポートしてあげましょう。
ケアをしながらフケの量や状態を観察することで、皮膚の変化にも気づきやすくなりますよ。
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執筆者:高田(メディカルトリマー、犬の皮膚被毛ケアリスト、動物介護士、ペットフーディスト ほか)