愛犬に皮膚の悩みがあると、さまざまな対策を考えるひとつとして、ドッグフードを変えたほうがいいのか悩むこともあります。
とはいえ、どんなドッグフードが皮膚ケアにいいか検索すると、それぞれ違ったフードをおすすめしていて、どれを選んでいいか迷ってしまうのではないでしょうか。
また、皮膚ケアで評判のドッグフードでも、すべての犬に合うとは限りません。
そこでこの記事では、メディカルトリマーやペットフーディストの私が、犬の皮膚ケアに役立つドッグフードの選び方を解説します。
ポイントを押さえておくことで、愛犬に合ったフードを選びやすくなるでしょう。
| 執筆者:高田 【保有資格】 メディカルトリマー、犬の皮膚被毛ケアリスト、ペットフーディスト ほか |
犬の皮膚にいいドッグフードとは?よくある誤解を知っておこう!
そもそも、皮膚にいいドッグフードとはどんなドッグフードだと思いますか?
皮膚ケアについては情報が多く、意外と誤解されていることも少なくありません。
まずは、よくある誤解について整理しておきましょう。
必ずしも「皮膚ケア用」と書いてあれば良いわけではない
ドッグフードの中には、「皮膚・被毛ケア用」「スキンケアサポート」など、皮膚ケアを意識した言葉が書かれている製品がたくさんあり、何となく皮膚に良さそうに見えるでしょう。
確かに、こうしたドッグフードは皮膚の健康に配慮した成分を配合していたり、栄養バランスが工夫されています。
しかし、だからと言って、本当に愛犬の皮膚の状態に合うかは別の問題です。
また、皮膚の健康に配慮した成分を配合しているものの、微量であったりアンバランスな栄養設計という製品も実際に存在しています。
そのため、“「皮膚ケア用」と書いてあるから大丈夫” でではなく、しっかり原材料や成分を見て選ぶことが大切です。
ドッグフードで皮膚トラブルが治るわけではない
皮膚ケア用のドッグフードを与えれば、皮膚トラブルが良くなると期待してしまうのは自然なことでしょう。
実際、皮膚トラブルの原因が食物アレルギーの場合は、アレルゲンとなる食材を含まないドッグフードに変えることで皮膚の状態が落ち着くこともあります。
ただ、誤解してはいけないのは、ドッグフードは皮膚トラブルを治すためのものではありません。
フードの役割はあくまでも、皮膚や被毛を健康に保つために必要な栄養を補い、体の内側からコンディションを整えることです。
そのため、皮膚ケアを目的としたドッグフードを選ぶときは、「これを与えれば治る」と期待するのではなく、“皮膚の健康を支えるひとつの要素だ” という視点で考えましょう。
犬の皮膚ケアに役立つドッグフードを選ぶポイント5つ
犬の皮膚トラブルの原因はさまざまですが、皮膚・被毛に必要な栄養素や考え方が変わることはありません。
「皮膚ケア用」と記載がなくても、皮膚被毛の健康に役立つフードはたくさんあります。
より愛犬に合ったドッグフードを選んであげるためにも、犬の皮膚ケアに役立つドッグフードを選ぶポイントを押さえておきましょう。
①主原料に良質なタンパク質を使用しているもの
主原料に、肉や魚などの良質なタンパク質が使用されているドッグフードを選びましょう。
摂取したタンパク質のうち、約30%が皮膚や被毛を保つために使われると考えられており、タンパク質の量だけでなく質にこだわることも大切です。
また、犬は限りなく肉食に近い雑食という食性があります。
そのため、動物性タンパク質は犬にとって消化・吸収しやすく、皮膚に必要な栄養を効率よく届けてくれることが期待できます。
食物アレルギーがある場合は、動物病院に相談しながらアレルギー反応が出にくい製品を選びましょう。
②原材料に曖昧な表記がないもの
皮膚ケアに限りませんが、ドッグフードは原材料の表記が明確なものを選びましょう。
曖昧な表記のものを選んでしまうと、食物アレルギーが起きたときにアレルゲンを特定しづらくなります。
| 避けるべき表記の例 | 明確な表記の例 |
| ・家禽類、肉類 ・ミートミール ・鶏肉等 ・動物性油脂 |
・家禽類(鶏、七面鳥) ・チキンミール ・肉等(牛、豚、鶏、レバー) ・動物性油脂(鶏由来)、鶏脂 |
原材料が明確に表記されているものは、食材の品質にもこだわられていることが多いため、消化の負担を軽減しやすいというメリットもあります。
③腸内環境の健康に配慮されているもの
皮膚と腸内環境は密接に関係しているため、腸内の健康をサポートしてくれる成分が含まれているドッグフードを選びましょう。
腸内細菌のバランスが乱れると、腸のバリア機能低下により炎症性物資が発生し、血管に乗って全身に運ばれるため、皮膚の状態も悪化させてしまう可能性があります。
また、食べたものを消化・吸収するには、腸内細菌と消化管の働きが欠かせません。
そのため、腸内環境の健康に配慮した成分が使用されているものを選ぶことで、皮膚の健康を保ちやすくなります。
| ■ 腸内環境の健康に配慮した成分・食材の例
・プロバイオティクス |
なお、乳酸菌などのプロバイオティクスは、プレバイオティクスと合わせて摂ることで、より腸内環境を健康に導きやすくなるため、両方が含まれているものがおすすめです。
④オメガ3脂肪酸の配合量が記載されているもの
オメガ3は犬の必須脂肪酸なので、総合栄養食であれば含まれていることがほとんどですが、オメガ3脂肪酸の配合量が記載されているドッグフードがおすすめです。
オメガ3脂肪酸は、皮膚のうるおいを保ったり、皮膚のターンオーバーをサポートしたりと、皮膚の健康にも深く関係しています。
とはいえ、ドッグフードにはオメガ脂肪酸の配合量を表示する義務はありません。
オメガ3脂肪酸はオメガ6脂肪酸と同時に摂ることが大切なので、両方の数値が表記されているものを選ぶと良いでしょう。
【関連記事】
愛犬の皮膚がカサカサ!原因や自宅できるケアと病院に行くべき目安を解説
⑤健康に不要な添加物を使用していないもの
必ずしも添加物がいけないわけではありませんが、必要以上に添加物が使用されているドッグフードは避けたほうが良いでしょう。
ドッグフードに使用される人工添加物の中には、人間での使用が禁止されているものや腸内環境に悪影響を与えるものもあります。
もちろん、犬の健康に害がないと確認されている最少量での使用ですが、長期的に摂取した場合の健康リスクはゼロではありません。
そのため、着色料や香料などの人工添加物を避けておくことをおすすめします。
皮膚ケアに役立つドッグフードに切り替える際の注意点

せっかく皮膚ケアをサポートしてくれるドッグフードを見つけても、与え方を間違えてしまえば愛犬の負担となってしまいます。
ここでは、切り替えるときの注意点を見ていきましょう。
急に切り替えない
新しいドッグフードに切り替えるときは、10日ほどかけてゆっくり移行しましょう。
子犬やシニア犬、お腹の弱い犬では2週間ほどかけてあげると安心です。
急に切り替えると腸内細菌や消化酵素の働きが追いつかず、下痢や嘔吐を引き起こしてしまうことも珍しくありません。
今まで与えていたフードに新しいフードを1割ずつ混ぜ、徐々に慣らしてあげることが大切です。
開封後は1か月以内に使い切る
開封したドッグフードは、1か月以内に使い切りましょう。
ドッグフードに含まれる脂は、開封して空気に触れた瞬間から酸化が始まります。
酸化が進むと体に悪影響を与える物質に変化してしまうため、早めに使い切ることが大切です。
なお、冷蔵庫でドライフードを保管するのは、扉の開け閉めやフードの出し入れ時に結露が生じてカビが生えやすくなるため、おすすめできません。
大袋ではなく、1か月以内に早めに使い切れる量をこまめに購入しましょう。
皮膚ケアにはドッグフード以外の対策も重要!
ドッグフードによる体の内側からのケアも大切ですが、皮膚ケアはドッグフード以外の対策も重要です。
ここでは、基本的な対策について解説します。
獣医師に相談する
愛犬の皮膚に悩みがあるときは、自己判断せず獣医師にご相談ください。
皮膚トラブルの原因はさまざまですが、治療が必要な病気であることも少なくありません。
また、食物アレルギーであった場合はアレルゲンを特定することが大切なので、まずは動物病院を受診しましょう。
【関連記事】
犬の皮膚病|症状・種類・原因とケア方法をメディカルトリマーが解説
日頃から適切な皮膚ケアを行う
犬種によって頻度に違いはありますが、日頃からブラッシングやシャンプーなどの基本的な皮膚ケアを行うことも、皮膚の健康を保つうえで欠かせません。
| 【ブラッシングの目安】
長毛種…毎日 【シャンプーの目安】 【保湿の目安】 |
どんなに皮膚ケアを意識したドッグフードを選んでも、ブラッシングやシャンプーを怠ったり、洗いすぎや乾かし不足があったりすると、皮膚トラブルの原因になってしまいます。
皮膚ケアは、食事と外側からのケアをセットで考えましょう。
【関連記事】
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まとめ

「犬の皮膚ケアに良い」と言われているドッグフードが、必ずしも愛犬に合うとは限りません。
ドッグフードはたくさん販売されており、どれを選んでいいか悩んでしまうこともあるでしょう。
そんなときは、ドッグフードを選ぶポイントを思い出し、愛犬の状態に合ったものを選んであげてくださいね。
また、日頃のケアについても、一度見直してみることをおすすめします。
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