愛犬をいつものように撫でていたら、ふと皮膚が黒くなっていることに気づいて不安になっているのではないでしょうか。
犬の皮膚が黒いと、「病気なのでは?」と心配になりますよね。
犬の皮膚が黒くなるのはさまざまな理由があり、必ずしも病気だけで起こるわけではありません。
しかし、原因を突き止めずに様子をみてしまうのは、愛犬の健康を妨げてしまう恐れがあり、注意が必要です。
この記事では、メディカルトリマーや犬の皮膚被毛ケアリストの私が、犬の皮膚が黒い主な原因や対策、動物病院を受診する目安について解説します。
| 執筆者:高田
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犬の皮膚が黒いのはなぜ?主な6つの原因
犬の皮膚が黒くなるのは、体質や加齢による自然な変化から重篤な病気までさまざまです。
最初に、犬の皮膚が黒くなる原因を知っておきましょう。
①生まれつきの色素
チャイニーズ・クレステッド・ドッグ(ヘアレス)
もともと色素が濃い犬では、お腹や内股が黒っぽく見えることがあります。
成長に伴ってメラニン色素が増え、子犬の頃より色が濃くなることも珍しくありません。
ゆっくり変化している場合は体質による可能性が高いですが、念のため一度動物病院を受診すると安心です。
②加齢による色素沈着
シニア期(老犬期)になると皮膚の新陳代謝が低下し、メラニン色素が皮膚に残りやすくなります。
そのため、シミのような黒ずみがみられることも珍しくありません。
関節周囲や摩擦の多い部位にゆっくり現れることが多く、症状を伴わない場合は加齢による変化の可能性もあります。
ただし同じような変化は皮膚炎やホルモン疾患でもみられるため、見た目だけで判断することはできないので注意しましょう。
③マラセチアやアレルギーなどの皮膚トラブル
マラセチアやアレルギーなど、皮膚トラブルが長引いている場合、犬の皮膚が黒くなっていくことがあります。
皮膚トラブルは、皮膚に炎症やかゆみを引き起こすため、犬が舐めたり掻くことで、繰り返し皮膚に刺激が加わります。
炎症が続いている皮膚では、防御反応としてメラニン色素が増え、黒い皮膚になっていくのです。
④炎症が治まったあとの色素沈着
かゆみや皮膚炎が続いた場所では、炎症がおさまったあとでも、皮膚に黒い色だけが残ることがあります。
これは、皮膚を守る反応によって増えたメラニン色素が皮膚にとどまるために起こる変化で、「炎症後色素沈着」と呼ばれます。
足先や内股、わきなど、犬が舐めやすい部位にみられることが多いのが特徴です。
また、長時間紫外線を浴びることで、炎症後色素沈着を悪化させてしまうことがあります。
犬の皮膚は被毛に覆われているため、通常は問題になることはありませんが、短すぎるサマーカットや、皮膚病などで脱毛している場合は注意が必要です。
⑤ホルモンバランスの異常
甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などの内分泌疾患では、皮膚の代謝が低下して、犬の皮膚が黒くなることも珍しくありません。
この場合はかゆみを伴わないことも多く、左右対称に毛が薄くなる、皮膚が薄くなる、フケが増えるなどの症状がみられることもあります。
皮膚が黒い色をしているというだけでは判断ができず、診断には血液検査やエコー検査などによる確認が必要です。
⑥腫瘍の影響
黒ずみがシミのように平らではなく、しこりやできものとして見える場合は腫瘍の可能性もあります。
注意したいのは、見た目や場所、大きくなるスピードだけで、良性か悪性かを判断することはできないことです。
実際、以前私の愛犬の首のうしろに、3mm程度の黒いできものができたことがあります。
悪性黒色腫の可能性も否定できないとのことで、手術で切除することになりましたが、病理検査の結果はメラノサイトーマ(良性腫瘍)でした。
このように、腫瘍は病理検査を行って初めて性質が分かります。
小さいからと様子を見るのではなく、気づいた時点で動物病院で確認を受けることが大切です。
放置厳禁!すぐに動物病院へ行くべき犬の皮膚の危険な黒い変色
犬の皮膚が黒くなる原因はさまざまですが、中には早急な治療が必要な病気であることもあります。
基本的に飼い主さんが、病気か老化かを見分けることはできないため、「皮膚が黒いかも?」と思ったときは動物病院を受診することが大切です。
特に、以下のような症状がみられるときは、早めに受診してください。
- 短期間で急に黒くなった
- 急に黒い範囲が広がった
- 黒い部分が盛り上がっている
- しこりがある
- 強いにおいやベタつきがある
- 同じ部位を執拗に舐めている
- 左右対称に毛が薄くなる(または脱毛)
- かゆみや赤みがある
- かさぶたを繰り返す など
皮膚は、皮膚病はもちろん体の内側の状態を反映する重要な部位です。
日頃から、愛犬の皮膚の状態をチェックしましょう。
犬の皮膚が黒いときに自宅でできるケア
犬の皮膚が黒いときは、一度動物病院で診てもらうことが大切です。
その上で、自宅でできるケアもあわせて行いましょう。
保湿で皮膚のバリア機能を守る
犬の皮膚が黒いときは、保湿を行い皮膚のバリア機能を守ってあげましょう。
犬の皮膚は人の約1/3ほどの厚さしかなく、水分を保つ力も強くありません。
乾燥すると皮膚のバリア機能が低下して、わずかな刺激でも炎症が起こりやすくなります。
特にシャンプー後や乾燥する室内・季節は、皮膚の水分が失われやすいため、保湿で皮膚のうるおいを保ってあげましょう。
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紫外線対策を行う
犬の皮膚の黒ずみを悪化させないためにも、服を着せるなどして紫外線対策を行いましょう。
皮膚は紫外線を浴びると、皮膚の細胞を守ろうとメラニン色素を生成して紫外線を吸収しようとします。
通常であればメラニンは皮膚のターンオーバーで排出されますが、多量のメラニンは排出しきれずに黒ずみが残りやすくなってしまうのです。
そのため、日差しの強い時間帯の長時間の外出や、直射日光が当たる場所での長時間の休憩は避けましょう。
過度なシャンプーを避ける
犬の皮膚が黒いからといって、シャンプーの頻度を増やさないようにしましょう。
過度なシャンプーは、必要な皮脂まで落としてしまいます。
皮脂は皮膚を守る保護膜の役割があるため、洗いすぎは皮膚の状態を不安定にし、皮膚トラブルを起こしやすい状態を作ってしまうのです。
シャンプーは月に1回程度を目安に行い、汚れが気になるときは部分洗いや、塗れたタオルで拭くようにしましょう。
ただし、皮膚病などで獣医師からシャンプー頻度の指示がある場合は、従うことが大切です。
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舐め続けさせない
犬が同じ場所をずっと舐めている場合は、エリザベスカラーやエリザベスウエア、靴下などを使用して舐め続ける状態を防ぎましょう。
同じ場所を舐め続けると、皮膚への刺激が続きます。
皮膚はその場所を守ろうとしてメラニン色素を増やすため、黒ずみが広がりやすくなるのです。
特に足先や内股、わきの下は飼い主さんが気づきにくいため、注意して見てあげましょう。
犬の皮膚が黒いときにやってはいけない2つのNG行為
犬の皮膚が黒いのを見つけると、つい汚れのように感じてしまい、なんとか元のきれいな皮膚に戻したいと思ってしまうかもしれません。
しかし、間違った対処をすれば状態を悪化させてしまうことにもつながります。
ここでは、犬の皮膚が黒いときにやってはいけないNG行為を見ていきましょう。
黒い部分をゴシゴシとこすり落とそうとする
黒い部分をゴシゴシと洗ったり、強く拭いて落とそうとすることはやめましょう。
犬の皮膚の黒ずみは、汚れではなくメラニン色素の沈着や慢性的な炎症による変化なので、強くこすって落ちるようなものではありません。
むしろ、強くこすることで皮膚表面を傷つけてしまえば、炎症を悪化させ、結果として色素沈着を広げてしまうことにもつながります。
特に犬の皮膚は薄くデリケートなため、軽く拭いているつもりでもダメージになりやすいので注意が必要です。
自己判断で人間用の市販薬を使用する
自己判断で人間用の市販薬を使用するのはやめましょう。
犬の皮膚の黒ずみが気になると、市販の軟膏などを塗りたくなるかもしれません。
しかし、人間用の薬は犬の皮膚に刺激が強く、炎症を悪化させてしまう恐れがあります。
また、ステロイド配合の薬を自己判断で使用すると、一時的に症状が軽くなったように見えることもあり、原因の特定や治療が遅れてしまうことにもなりかねません。
さらに薬を舐めてしまう可能性もあり、体調不良を起こすリスクも高まります。
自己判断で薬を使用するのは避け、必ず動物病院を受診しましょう。
まとめ
犬の皮膚が黒いと不安や心配になりますが、その原因はさまざまで、見た目だけで判断することはできません。
まずは一度動物病院を受診し、なぜ黒くなってきたかを突き止めてあげることが大切です。
犬の皮膚の黒ずみは、愛犬の体からのサインです。
保湿やシャンプー頻度、紫外線対策など、自宅でできるケアを取り入れながら、愛犬の皮膚の健康を保ってあげてくださいね。
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